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椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは…

背骨(椎骨)と背骨(椎骨)の間の椎間板物質が突出(ヘルニア)を起こし、脊髄が圧迫されて痛み麻痺(ふらつき、下半身不随、排尿障害など)が起こる病気です。

胸腰椎での椎間板ヘルニアの重症度分類

グレード 症状 内科療法 手術
腰の痛み、小さな段差でもつまずく・越えたがらない。
歩行可能、ふらつく、姿勢反応の低下
3 歩行不能、随意運動(+)
歩行不能、随意運動(-)、深部痛覚(+) ×
歩行不能、随意運動(-)、深部痛覚(-) ×
脊髄軟化症 脊髄の麻痺の範囲が徐々に広がり死に至ります。罹患率:グレード5のうちの7% × ×

※随意運動(+/-)というのは自分の意志で後ろ足を動かせるかどうかのことです。

[ グレード1・2 ]は*『 内科療法 』を試みます。

  • *『 内科療法 』
    • 絶対安静が基本。
    • 注射や飲み薬では突き出てしまった椎間板物質を取り除くことはできません。
    • 注射や飲み薬は、痛みと脊髄周辺の炎症を抑える為に消炎鎮痛剤などを使います。
  • ※もしグレード1や2であっても、腰の痛みがひどいなど内科療法が奏功しない場合は手術の対象となることもあります。

[ グレード3・4・5 ]は*『 手術 』の適応です。

  • ※グレード3・4・5では、一生歩けなくなるリスクを考えると基本的には手術が奨められます。
  • *『 手術 』
    • さまざまな手術方法があります。
    • 当院では片側椎弓切除術をおこなっております。
  • *片側椎弓切除術
    • 背骨の一部にマイクロエンジンを用いて穴を開けて、その穴から突き出てしまった椎間板物質を取り除く手術方法です。(写真参照)

手術に先立って椎間板ヘルニアの確定診断と場所の特定のための*検査が必要です。

  • *検査
    • 神経学的検査
      • 皮膚や足の感覚や反射、脳神経の異常などがないか精査します。
      •  診断をすすめていく上で非常に重要な検査です。
    • 画像診断
      • 脊髄造影レントゲン撮影
      • CT撮影
      • MRI撮影
      • ※画像診断はすべて全身麻酔下での検査です。
      • ※鑑別診断や病状の把握の精度はMRI・CT撮影がベストです。
      •   手術が必要な患者さんは当院に入院後、MRI・CT撮影施設に移動して検査を行います。
      • ※当院内でできる検査は脊髄造影レントゲン撮影検査です。
      •   経済的な理由、もしくは飼い主様のご希望でMRI・CT撮影をしない場合に手術に先駆けて行う検査が脊髄造影レントゲン検査です。(診断率90%以上)
  • ⇒神経学的検査と画像診断をあわせて、「椎間板ヘルニアであるかどうか?」、「グレードがいくつであるか?」「どの背骨とどの背骨の間のヘルニアなのか?」を特定して手術に臨みます。

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